咳と肺結核

肺結核

咳が止まらない病気の1つとして、肺結核があります。

 

皆さんは子供の頃、ハンコ注射と呼ばれる予防接種を受けた記憶があるのではないでしょうか。あるいは今でも、その際の注射の跡が、上腕にサイコロの目のように残っている人も多いことでしょう。あのハンコ注射こそは、肺結核を予防するためのものであり、ひじょうに効果が大きな予防法なのです。

 

肺結核は、抗生物質が使用されるようになる前は、死に至る病としてひどく恐れられていました。激しい咳や痰と一緒に、ハンカチなどににじむ血液の赤い色。一昔前の映画やドラマでは、こうした状況が描かれているものをよく目にしました。でも現在は医療の技術や研究も、当時とは比較にならないほど発達してきたから大丈夫、などというふうには至っていません。実は現在でも肺結核の恐怖は、あなた方の身のすぐそばに、迫っているのです。

 

肺結核が昔からひじょうに恐れられてきた理由は、いったんかかってしまうと死を待つのみであるのと、他の人にも容易にうつってしまうという2つです。抗生物質のおかげで、死亡率こそ激減したものの、肺結核の強い感染力はいまだになんら変化していません。それどころか「肺結核は昔の病気」という誤った思い込みによって、時として職場や学校などを舞台として、現在でも地域的な大流行を見せる場合があります。

 

肺結核の主な症状は、まず圧倒的に咳が出ることです。まるで喘息の発作のような咳が続き、血液の混じった痰が出たりします。発熱はさほどではありませんが、ひじょうに長い期間にわたって微熱や、38度程度の熱が引かないことが多くあります。

 

肺結核が厄介な点がもう1つあります。それは長い期間を要して肺結核がいったん治ったと思っても、結核菌は体の中に身を潜めており、免疫力などが低下した際に再発する可能性があるということです。初期の肺結核の特効薬は、ストレプトマイシンがありました。これによって多くの肺結核の患者が救われましたが、困ったことに最近では、このストレプトマイシンに耐性を持つ肺結核菌がいるということです。

 

肺結核を治すには、かなり長期にわたる投薬が必要になってきます。また医師から処方される薬剤は、主に抗生物質を中心としているため、患者の勝手で中途で薬を飲むのを止めてしまったりすると、耐性菌が出現して、ひじょうに厄介なことになってしまいます。

 

また最近では肺結核という病気そのものが過去のものなどといった、誤った考えを持っている人が多く、そのため学校や会社の内部などで時に大発生することがあります。長い期間にわたって、咳や痰などがおさまらない場合には、必ず受診するようにしましょう。

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